サンシャイン60をはじめとする高層ビル群に歓楽街、大型電気店、デパート、中華街、乙女ロード……。何かと見どころの多いこの街には、都心はもちろん他県からの流入も多く、平日も常に人で溢れている。三回目はそんな池袋の駐輪事情だが、実はこの街、放置自転車の多い駅として平成17年には都内ワースト1位の悲しい冠を頂戴した過去がある(ちなみにその年の池袋駅の放置自転車台数は1,863台。全国1位は名古屋の3,194台で、現在もぶっちぎりの1位!/出典:平成19年「駅周辺における放置自転車等の実態調査の集計結果」/内閣府)。駅利用者も多く、繁華街だけで一日100万人もの人が出入りするという混沌とした状況の中では、どうしてもモラルに欠けた行動に出てしまう人も多いのだろう。
自転車だらけの駅前を想像しつつ、池袋駅を東口から外に出ると、驚くことに放置自転車が一台もない! 実はここ数年で、豊島区は放置自転車対策に本腰を入れ、大々的なPRと撤去作業に注力。平成16年・17年と2年連続で続いた放置自転車の多い駅ワースト一位の汚名返上に成功していたのだ。その甲斐あってか、駅周辺は元の景観を取り戻している。そもそも池袋には9つもの大型駐輪場が存在しており、そのうち2カ所は収容台数1,000台を越える超大型施設。前回紹介した銀座と比べると、まさに雲泥の差である。
今回は数ある駐輪施設の中で、東口・西口それぞれから特に大型の施設を紹介。まずは西武デパートやサンシャイン60のある東側から。駅の東口を出て左方向へ線路沿いに、歩いてすぐの場所にある「池袋駅東自転車駐車場」。550台の自転車を収容可能なこの駐輪場、営業中は管理人さんが駐在。聞いてみると、数年前まではレンタサイクルも行っていたんだとか! 平成20年の7月でサービスは終了してしまったそうだが、復活してくれたらなにかと活用できそう。当時はニーズがなかったのだろうか、……残念!
駐輪対策に本気になったとはいえ、駅から離れるにつれチラホラと見受けられる放置自転車。乙女ロードのある東池袋3丁目周辺では、公園を取り囲むように自転車が駐められており、その日はたまたま撤去作業が行われていた。豊島区の撤去保管手数料は5,000円と、他のエリアに比べて割高。安く手に入れた自転車だからと、あきらめてしまう人もいるのではないだろうか。作業員のおじさんに聞いてみたところ、西口に大きな保管場所兼駐輪場があるというので早速確認に向かった。
東武デパートや東京芸術劇場のある西口には、一日利用が可能な大型駐輪場「プラザ駐輪場」もあるお陰からか、東側よりもさらに放置自転車は少なく感じられる。教えてもらった場所は東京芸術劇場の裏側で、西池袋公園の地下にある「池袋駅西自転車駐車場」という施設。体育倉庫のような入り口から地下へのスロープを下っていくと、内部はまるで地下シェルターのように広い。一部は金網で仕切られており、そこが撤去された自転車を管理するスペース。それ以外は二段ラック式の駐輪場になっており、なんと1,151台もの自転車が収容できるのだとか! これだけのスペースがあれば、満車の心配もなさそうだ。地上の公園もキレイに整備されており、街の中心にも近いことから、サイクリング中の休憩やお買い物にもかなり重宝しそう。
その他に、区の管理する駐輪場はもちろん、周辺にはデパートや大型書店などにも充実した駐輪スペースが点在。自転車に乗ってこの街を訪れれば、ワースト一位の座を脱し、自転車を上手に受け入れられる街へと昇華しつつある現状が体感できるハズ。サイクリングがてら、ぜひ池袋に遊びにいってみて欲しい。あとは、レンタサイクルの復活や、専用レーンの更なる拡大にも期待したいところだ。
(text & photo: Noritatsu Nakazawa)
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