ーー土佐社長は東京と自転車、と聞いて最初に何を思いますか?
「今回、X2 TOKYOの東京と自転車をつなぐ、という話を聞いてパッと思ったのは『おっしゃれー!』ということ(笑)。あとは、武蔵小山の駅の放置自転車問題が、ふと思い浮かびました。そういえば自転車、多いよね、というのが、東京と自転車と聞いたときのまず最初の印象です」
ーーご自身の自転車とのつきあいは?
「中高と、自転車通学だったんですね。家が山の中腹にあったので、行きはよいよい帰りは……でした」
ーーどんな自転車に乗っていたんですか?
「普通の自転車なんですけど、当時、ハンドルをこう、上下左右逆にするのが流行っていましたね。ハンドルは流行っていたのでみんなやってましたが、なんか昔から、そのまま使うのではなくていじりたくなっちゃうんですよね。独自のくつひもの結び方とか……先生に『個性的ね』と言われていました。もっとさかのぼって子供の頃は、三輪車を逆さまにして手でペダルをグルグル回して、なぜか『綿菓子~!』(綿菓子を作るマシンをイメージして)なんて遊んでいたりもしました」
ーーその後、創作活動をはじめてからの自転車との関わりはどうでしたか?
「昔、NHKの子供番組で自転車と掃除機を組み合わせて楽器を作ったことがありますね。あと、自社製品でハンドルを使ったこともありますね。ブレーキバーもあるな、……あ、記憶が蘇ってきた! いろいろ自転車部品を使ってますね。スポークを使って、赤ちゃんのガラガラの音が出る楽器を作ったこともあります」
ーー素材として、自転車ってどうなんですか?
「自転車って、アルミの削り出しのパーツが多いじゃないですか。明和電機もアルミをよく使うので、自転車とは相性がよいというか明和電機的だなあ、と思います。それに、自転車の部品は手に入りやすいので、使いやすいんですよ」
ーー今気になっているパーツは?
「音が鳴るもの、『音源』としては、チェーンやベルとか、リズムをとる『制御』としては、人間がこぐときに生じる回転リズムをなにか使えないかな、と思っています」
ーー自転車というのは、創作モチーフとしてはいかがですか?
「現代アートのなかで、自転車を使っている作品は結構多いんです。デュシャンや、キネティックアート(人力や風力、あるいはモーターなどで動く部分をもった彫刻の総称)のティンゲリとか。自転車が使われる理由のひとつは、やはり扱いやすいこと。あと、自転車って都市的というか、切っても切り離せない存在であり、自転車が都市のモチーフのひとつであるからだと思います」
ーー明和電機にとってはどうですか?
「自転車って、パッと見ると一体成型されて部品で組まれている感じがしないんですよね」
ーーでも、実はものすごい小さなパーツの集合体ですよね。ママチャリなんて数百ものパーツで構成されていますし。
「そうなんです。でも、自転車ってもう、あの完成したカタチでイメージが固定されていて、パーツの集合体というイメージがない。だからそのイメージを崩したいですよね。なんか、そういうことしたら警察に怒られそうな感じもいい(笑)」
ーーなにしてくれるの!? みたいな(笑)。
「そうそう。自転車は機構が『足でこいで回転させるというだけ』と、ものすごシンプルなので、運動が変化する可能性が大きいんですよ。これは楽器に応用できます!!」
ーーぜひ、X2 TOKYOでその欲求を発散していただき、世の中が『ええっ!?なにそれ』っていうようなものを作ってください。
「チャリという新しい楽器/音楽ジャンルを流行らせましょう!」
(text & interview photo: X2 TOKYO Project)