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自転車ライダーのひとりごとから見える、<br />東京と自転車の関係性。<br />6.30 0PEN LAB.レポート

2010.07.12 LAB.&OPEN LAB. INSIDE

4組のクリエーター「ラボプロ」と展開していくX2 TOKYOのワークショップ「OPEN LAB.」。それぞれのラボプロの専門分野をベースに、参加者のみなさんと自転車と東京について考え、体験していきます。6月30日に開かれたのは、建築家ユニットassistantとのOPEN LAB.で、その名も「GRADIOFFITI」。RADIO(ラジオ)とGRAFFITI(グラフィティ)を合わせたassistantの造語、GRADIOFFITIって何?そして参加者が体験したこととは?

自転車に乗っている人のココロを垣間見る

普段、自転車を走らせているとき、何を思い、何を考え、何を感じていますか?走ったあとの「気持いい」「爽快」といった印象は残りますが、走っている最中のアタマの中やココロの中は、走るスピードにのってどこかに流れてしまって、あまり記憶に残らないものです。でも、東京と自転車がもっとよい関係を築いて、東京が世界に誇れるスタイリッシュな自転車都市になるには、自転車に乗って都市と関わっている間に起きていることを明らかにする必要があるのでは?とX2 TOKYOとassistantは考えました。自転車乗りのアタマとココロの中をのぞき見て、自転車と東京の関係性について考える。つまり「見えないものを見えるように」して「無意識を意識」するのが、今回のOPEN LAB.。その方法がGRADIOFFITI(グラディオフィッティ)。自転車に乗りながら「ラジオ」のように延々とひとりごとをしゃべり続け、そうやって集めたひとりごとを「グラフィティ」のように街に置きにいくアクティビティです。
ツイッターからの応募から抽選で当選した8組12名の参加者は、まず「ライダー1名」「書記2名」「マッピング係1名」で構成される4人1チームに分かれました。まだ外の明るいうちに、各チームのライダーはそれぞれのコースを走りに自転車で出かけます。彼らの襟元にはマイクがセットされ、ライダーたちは普段無意識のうちに受け流している、目についたもの感じたことをひとりごととして言い続けるのです。会場では、残ったメンバーがスピーカーを通じて届くそれらのひとりごとをヒアリングして、ポストイットに記述。ひとりごとの書かれたポストイットは、壁面に描かれたコース上にマッピングされていきます。
……<緑が濃いな><坂ばっかり!><骨董通りってどういう由来?><こんなところに公園が、知らなかった><バイクこわい!><タクシー多い!><マナー難しいな><これって歩道?車道?この道、何?><この道はこんなところに出るんだ>……。ポストイットはひとりごとの種類「周囲の環境に影響されたひとりごと」「周囲には直接関係のない感情や内面のつぶやき」「そのほか」によって3色にわけられ、ライドがすすむにつれてコースマップは膨大なひとりごとで彩られていきます。
そして完成した4チームそれぞれのひとりごとマップを眺めながら、assistantのお2人、ゲスト参加いただいたミュージシャンのRocket or ChiritoriさんとX2 TOKYOのナビゲートでディスカッションがスタートしました。

スピーカーから聞こえるひとりごとを記述
壁のコースマップに貼って「ひとりごとマップ」を仕上げていくオンライン カジノ ゲーム />
スピーカーから聞こえるひとりごとに耳を傾け必至で記述。そしてそれを壁のコースマップに貼って「ひとりごとマップ」を仕上げていく。
ディスカッションでは積極的に参加者からコメントが
「信号が句読点になっているのでは」とassistant松原さん
ディスカッションでは積極的に参加者からコメントが。「直線は走ることに没入してまわりに反応しなくなるかも」「走っていると自分だけの世界。信号で止まると我にかえる」という意見に「信号が句読点になっているのでは」とassistant松原さん。

ひとりごとは周囲へのリアクション

「意外と緑が多いのが印象的」「いろんな情報が入って来て、思ったよりしゃべっていた」というライダーたちの感想の一方、「普段は自分の気持ちしか分からないが、人の心のなかが垣間見れてたのしかった」「いつも何気なく走っているが、人のひとりごとを聞いて、自転車はいつもどう走るか、どこを走るかと迷いながら走っていることに改めて気付いた」というチーム員からの意見もありました。
ひとりごとが表すのは「都市に対するリアクション」。ライダーの都市空間に対するリアクションを分析することで、関係性が見えてきます。例えば、今回のひとりごとで多かったのは「こわい」という発言。車道を走ることに慣れてしまえば当たり前になってしまいますが、すぐわきをとおるトラックやバス、予測できない動きをするタクシーやバイクなどとどうやってうまく共存していくか、今回のひとりごとライドであらためてその難しさが浮き彫りになりました。
もちろん、もっとも多かったのは街そのものへの反応です。歩く人、たくさんの広告、お店や空や緑など、都市空間を構成するさまざまな要素についてのコメントがたくさんありました。
「他者と常に空間を接しまとっているわずかなスペースのみがプライベート空間である『歩き』とも、外の環境と完全に分断された完璧なプライベート空間を持つ『クルマ』とも違う、そのちょうど中間の存在感、街との距離感を持った空間を乗り手に与えてくれるのが自転車」
OPEN LAB.の冒頭で、自転車という移動手段がつくる空間についてこう定義しましたが、実際に自転車で走ることは歩くよりクルマよりちょうどよい距離感を都市とたもち、さまざまな刺激や情報を受けることができることを実感して理解することができたようです。

自転車だから、積極的に街とかかわれる

ひとりごとマッピングを通して俯瞰で見た東京と自転車の関係を、各人の体験としてより深く理解してもらうため、最後に行なったのが、マップに集めたひとりごとで自転車と東京をつなぐライド。その「つなぎ方」は、チーム毎にライダーの走ったコースをみんなで走り、どのような環境、空間でどんなひとりごとが生まれたのかを体感し、マップからピックアップしたいくつかのひとりごとを書いたゴミ袋を、街のゴミ箱に捨てるというやり方。本来都市空間にまぎれて消えてしまうひとりごとを街に置いて戻す、まさに「グラフィティ」な試みでした。
また、「ひとりごとから、自転車はどこを走ったらいいのか?という迷いも感じられた」「周りのこと、他の人感じ方を見ることができて気付くことが多かった」という参加者の意見にもあるように、この活動を通して、いままで見えなかった自転車に乗る人の意識を明らかにし、東京と自転車の関係、自転車が都市でどう振る舞うべきかなどを考える大きなきっかけとなりました。特に、道路空間をシェアするクルマやタクシー、歩行者などとどういうふうに関係をつくっていくか。ひとりごとのなかにもたくさんの「あ、すいません」「ありがとうございます」「おっと、待って」「渋滞ぎみ、あぶない」など、他のモビリティに対するさまざまなリアクションがありました。双方向にもっとうまくコミュニケーションがとれれば……というわけで次回は、都市空間を共有するクルマや歩行者、そして他の自転車との「コミュニケーション」がテーマです。都市との関係が密な自転車だからこそ、積極的にコミュニケーションをとって、他の交通手段とのスムーズな共存をリードしたいもの。世界標準になる自転車のためのサイン、ぜひ一緒に考えましょう!
(text & photo: X2 TOKYO Project)

※次回の「7.22 OPEN LAB.」の募集要項はコチラ(http://x2tokyo.jp/entry

一番気になったひとりごとをゴミ袋に記入
記念撮影をして、ひとりごとを夜の街にバラまきに
それぞれ一番気になったひとりごとをゴミ袋に記入して、記念撮影。そしてひとりごとを夜の街にバラまきに……。

Permalink: http://x2tokyo.jp/inside/openlab_0630_report/

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