コミュニケーション、つまり意思の疎通が路上でうまくいかないときに発生するのが「事故」です。自転車事故の8割以上が対クルマとの事故、そしてそのあとバイクや自転車同士……と続きます。さらにその内訳として、出会い頭の事故(56.7%)に続いて、右折左折時衝突(24.2%)、追い越し追い抜き時衝突(2.8%)というふうに、「コミュニケーションがとれていれば避けられたかもしれない」事故は少なくありません。道路をシェアするクルマ、バイク、他の自転車、そして歩行者とどうやって意思の疎通を計るか。事前に行なったアンケート調査によると、約4割はなんらかのサインを使っていましたが、そのいっぽうで「進行方向など、後続の車に伝えたいと気があるけれど、どうしたらいいか分からない」という声も。そういった現状を参加者のみなさんに理解いただいた上で、サインを考えていただきました。
椅子や展示を片付けて広々としたバイクフォーラム青山はさながらダンススタジオのよう。アセロラ体操や映画「めがね」のメルシー体操など、ちょっとユーモラスだけどカッコよい身体表現を生み出して来た伊藤千枝さんが前に立ちます。「まずは、身体を温めましょう」と、リンパを流し、筋肉を緩めるストレッチから始まりました。冷房に参りやすい女性の参加者にとって、この最初のストレッチはずいぶんここちよいものだったようです。
ところで「さあ自由に動いてください!」と言われたら、どうしますか? 「自由に」といわれてもなかなか難しいものです。ところが身体はもっともっと自由に動くしいろいろな表現ができるもの。そんなことを体験したのが、「鏡の遊び」です。2人、そして4人組になって、リーダーの動きを真似します。最初は伊藤さんの「交代!」の声で、のちにはお互いの「目での」「全身での」コミュニケーション」で、リーダーを交代していくのです。これがかなりおもしろい!やっている側は楽しみながらも必死ですが、見ているだけでも思わず笑ってしまう面白さ。「OPEN LAB.」のムービーを是非観てみてください。
ここまでで充分に気持よく汗をかいて、身体は日常の動きから解き放たれ、自由な表現ができそうな気がしてきます。というところで、会場には実際に自転車が設置され、チームごとにサインの考案が始まりました。
それぞれのチームの真ん中にあるペーパーは、事前にメッセンジャーや自転車通勤者など日常的に自転車に乗る人たちにリサーチした「どんなときに意思表示したい?」のリスト。これはX2TOKYO.JPのLAB.においてもお題に出されました(投稿いただいたみなさんありがとうございました)。「右折、左折」「直進します」「お先にどうぞ」など交通ルールにまつわるものから、「ごはん食べた?」「どこ行くの?」など、信号待ちなどのときのためのちょっとした自転車乗り同士のコミュニケーションまで、幅広いシチュエーションが並びました。これを参考に、各チームごとに5〜10のサインを考えていきました。
「とっさにできるシンプルな動き、でも楽しくなっちゃうようなもの!」
伊藤さんのアドバイスを受けながら完成したサインはチームごとに発表されます。進路を伝えるものから自転車乗り同士のコミュニケーションまでさまざまなサインが生まれましたが、中には後続のライダーに「この店麺類おいしい!」を伝えるサインなど、ニッチでユニークなものも。
常に笑い声と躍動感にあふれた今回のOPEN LAB.、サインの仕上げは伊藤さんにこれから手がけていただきます。発表はX2TOKYO.JPにて。お楽しみに!
(text & photo: X2 TOKYO Project)
※次回の「8.26 OPEN LAB.」の募集要項はコチラ(http://x2tokyo.jp/entry)